Coldplayという惑星
☞ぼくの日常生活のBGMとなった、最高のブリティッシュ・バンド
このバンドに初めて出会ったのはフランスだった。かの地では知らない人がいないほど有名なグループだが、日本にいたころのぼくは音楽に関して疎く、またアンテナも伸びていなかったので露知らず。友人を心底驚かせてしまった。
最近は人気の海外バンドが積極的に取り沙汰されているようで、街角でもちょっと前に流行った曲が流れていたりする。『Happy』など話題になっていたのではないか。海外はユニークなアーティストの宝庫であって(日本についてはよく知らない)、ちょっとした移動時間とかリラックスタイムなんかにラジオを捻ると、はっとするようなリズムに頻繁に出会う。
その中でもColdplayにはいままでずっとお世話になってきた。精神的に荒んでいるときでも、試験前に気合を入れるときでも、哲学的な気分に浸っているときでも、彼らのメロディは邪魔になることがなく、すっと背景にとけこんでくれる。特に、数学の問題を解いているときでさえ、Coldplayの音は煩くない(正直にいうと全部ではない。だが数学の邪魔にならない音楽にはクラシック以外で出会ったことが無かった)。
ここまで来るとほとんど「良薬」に近い。毎日「摂取」するのだ。ただし目ざましがわりには使っていない。というのも、ぼくにとって「目ざましの音源に使う=その音楽を嫌いになる」という公式が成り立っているからだ。朝に叩き起こされて気分がよいわけがない。それを音楽に転嫁してしまうことがあるからだ。
いずれにしろ、生活の基盤となった彼らの音楽はもう肌に沁みついている。どの曲もそれぞれ良い所を持っているが、その中でも特に抜きんでている「玉」がある。
Coldplayの最新アルバム『Ghost Stories』が発売された。まだこれだけのインスピレーションを提供できるのか、と驚いたものだ。ちょうどいい機会なので、ぼくが思うColdplayの最高傑作を紹介させてほしい。シングル名の後に収録アルバムを記す。ぜひぜひ、お気に入りの一曲を見つけ、そしてできればアルバムという文脈のなかに置いて、新しい一面を発見してほしい。どいつもこいつも精鋭揃いだ。
☞SHIVER/Parachutes
この曲は惑星の引力を思わせる作品。揺りかごのようなリズムは、惑星の引力に引かれ宇宙空間をたゆたうイメージを与える。次第に振幅が高まっていって、ついに引力を振り切り無限の彼方へと発散。クライマックスの手前で一度テンポが沈殿し、安定化することに気付いただろうか。ここに無限へと旅立つ前の静かな緊張を感じる。全曲の中でもダントツトップの傑作だ。
☞YELLOW/Parachutes
いわずもがな、Parachutesの主戦力の一。思わず口ずさんでしまう心地良いメロディが特徴。ゆったりとしたリズムはShiverと共通しているが、この曲はもっと落ち着いている。閃きから生まれたというよりは(Shiverがそう)、長い間温められて成熟した心の充実・愛情が溢れだした感じ。気付いたら終わっている控えめな曲。
☞FIX YOU/X & Y
優しく語りかけてくるイメージで、正直前半は嫌い。ただ後半の高まりが群を抜いていて、まさに「前を見据えていざ走れ!」というメッセージが伝わってくる。いますぐにでも外に飛び出したくなる(比喩ではない)。二番目に好きな曲。このアルバムはもっともバランスがとれていて、各曲が全部そろったときの統一感が優れている。
☞IN MY PLACE/A Rush of Blood to the Head
Coldplay - In My Place - YouTube
ひとつひとつのリズムが体に刻みこまれていく。感情がよくのっていて、切実な曲である。
☞CLOCKS/A Rush of Blood to the Head
これも歴史に残る名曲のひとつ。言葉にできないが、旋律に「血の脈動」を感じる洗練された一曲。三番目に好き。
☞SPEED OF SOUND/X & Y
Coldplay - Speed Of Sound - YouTube
なんといってもMVがかっこよすぎる。光の洪水のなか音に酔いしれる。Shiverと運びが非常に似ているが、こちらはより哲学的な歌詞であって、メンバーの思索の足跡を思わせる。この曲もクライマックスの前に一度「沈殿」する。
☞THE HARDEST PART/X & Y
Coldplay - The Hardest Part - YouTube
困難に直面してそれに立ち向かうとき、力になってくれる曲だ。彼らの曲にしては、歌(言葉)が前面に出ている。
☞LIFE IN TECHNICOLOR/Viva la Vida or Death and All His Friends
Life in Technicolor - COLDPLAY - YouTube
まさに生命への讃美歌。命の萌芽である。このアルバムでは最も好きな一曲。
☞VIVA LA VIDA/Viva la Vida or Death and All His Friends
Coldplay - Viva La Vida - YouTube
このグループと出会うきっかけとなった曲。荘厳な響きと力強い旋律はタイトルにぴったりだ。ウィルが鐘を鳴らすのを見てすごく興奮した(なぜかはわからない)のを覚えている。ただし曲自体に込められたメッセージが濃すぎるのか、何度も聴くことはできない。
☞MYLO XYLOTOとHURTS LIKE HEAVEN/Mylo Xyloto
01 Mylo Xyloto / 02 Hurts Like Heaven - Coldplay ...
この二曲は分けることができない。一言で表すと「ポップコーン」。動画の音質が少し悪いみたいです。
☞CHARLIE BROWN/Mylo Xyloto
Coldplay - Charlie Brown - YouTube
選ぼうか迷ったが、最初の30秒を考慮するとランキング入り。
☞UP WITH THE BIRDS/Mylo Xyloto
Coldplay - Up With the Birds - YouTube
軽やかな曲。アルバムの最後に心地良い余韻を残す。
☞ALWAYS IN MY HEAD/Ghost Stories
Coldplay - Always in my head (OFFICIAL AUDIO ...
神秘的な始まりを告げる。六枚目の物語の開幕。
☞MAGIC/Ghost Stories
異色の曲。いままでにこういうテンポで流れるものはなかった。まるで歌詞を放り投げてくるようでありながら、なげやりな感じがしない。また後半にいくにしたがってとぎれとぎれだったリズムが徐々になめらかになっていく。六枚目のアルバムでこれほど斬新な局面を開拓できることにただただ驚くばかり。
☞A SKY FULL OF STARS/Ghost Stories
Coldplay - A Sky Full Of Stars (Official audio) - YouTube
まだ十分聴きこんでいないのでなんとも言えない。しかしこれはShiverに並ぶのではないかと思っている。よってこの曲も一位。ジャストミートである。以下はストリートでパフォーマンスをする彼らの様子。アーティストとはこういうふうに、周囲の人を巻き込んでひとつにする力を持った人たちなのではないだろうか。
Coldplay - A Sky Full Of Stars (Official video) - YouTube
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