着想メトロ

アイデアとは、世界の捉え方を再構成することで新たな価値を獲得し、さらにそれを経験によって持続させる、一連のプロセスのこと。

パン

 フランスでの主食はパンである。パンを食す文化にはそれなりの歴史がある。

 今日のお昼の話。特に意識もせず、パンを裏返しに置いておいたら(食事の際にはいわゆるフランスパン(バゲットと呼ばれる)を一切れ傍に置いておく)、フランスの方に「それはいけない」と言われた。一瞬何のことやらわからなかったが、詳しく訊いてみると「パンを裏返しにしたまま置いてはいけない」のだそうだ。一種のテーブルマナーだと考えられるが、その所以を尋ねてみると、興味深い話がきけた。

 その昔、死刑執行人は食事の際常にパンを裏返しに置くとされていた。だからそのようにパンを置くのは不吉だとされるのだそうだ。

 日本人が箸渡しや、米に突き刺さった箸を見ていい気持ちがしないのと同じように、フランス人はパンが裏返しになっていると気持ち悪くて反射的に表にしておくのだそう。マナーに歴史あり、ということか。こういうことをちゃんと注意してもらえるのは本当にありがたいことだな、と実感するのだった。

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