着想メトロ

アイデアとは、世界の捉え方を再構成することで新たな価値を獲得し、さらにそれを経験によって持続させる、一連のプロセスのこと。

Richesse du monde/世界の富

 フランスのボードゲーム

 二つのサイコロを振って出た目の合計分駒を進める。各升目には、ひとつの国(または地域)の名前と、その場所で産出する主要な資源名(鉱物や繊維、産業など)が書かれている。

 各国(地域)に対して複数の「カード」が用意されていて、各カードには資源名とその資源の占有率、カード自体の値段が記載されている。升目にとまったプレイヤーは必要があれば手持ちのお金で好きなカードを買うことができる。

  たとえば占有率20%の天然ガスを買ったとしよう。これだとまだ占有率が20%だが、各資源には閾値がいくつかあって、この場合たとえば最初の閾値が30%だったとしよう。天然ガスを買ったこのプレイヤーがこの後ふたたび10%の占有率を与える天然ガスのカードを保有する国(地域)にとまったとする。このカードを買えば、天然ガス保有率が30%を超え、閾値に達する。するとこの時点から、天然ガスと書かれた升にとまった他のプレイヤーはこのプレイヤーに「税金」を支払わなければならなくなる。

 占有率が高くなるほど支払う額も高くなる。

 ゲームの目的は、他のプレイヤーのお金と手持ちのカードを空にすること。そのためにより多くの資源をより高い占有率で独占する。

 なお、ほかにも「競売」という升目や「世界情勢」などのハプニング的要素もある。前者はカードを競売にかけなければならず、後者に関しては強制的にお金を失ったり、または逆に銀行や他プレイヤーからお金を受け取ることもある。前者はジョーカーを買って保持することで回避できる。

 つまりこれは経営戦略のゲームなのだ。またサイコロの出る目によっては、序盤にいいカードを持つ升にとまれない場合もあり、運の要素も多分にある。

 何が良いって、これで世界のどこにどんな資源があるかを楽しみながら学べるってことなのだ。

 日本にはちゃんと「自動車産業」や「米」「茶」などがあった。米は占有率が高くてもあまり税金をとれないが、自動車産業は多額の税金を搾りとれる。しかしその分カード自体の値段も高いというわけだ。

Richesses du monde — Wikipédia(仏語)